第13回次世代の薬剤師を創る会 - 一般口頭発表パート1 -

7月6日(日)に薬剤師研修センター認定「次世代の薬剤師を創る会」(以下次世代)を開催いたしました。次世代は毎回盛況で、メディセレ卒業生(メディセリアン)だけでなく、キャリア10年の中堅薬剤師さん、キャリア20数年のベテラン薬剤師さんまで幅広い年代の方々にお集まりいただいております。
一般口頭発表、一人目は回生薬局の若きエース、吉久保 匡甫(よしくぼ まさとし)先生です。吉久保先生は佐賀県伊万里市からこの次世代のために駆けつけてくれました。

座長を務められるのは、すっかりおなじみの神戸朝日病院薬剤部長、金 啓示先生です。金先生は、20年以上病院薬剤師としてご活躍で、その豊富な経験で会場をリードし、若き薬剤師に熱いエールを送って下さります。

吉久保先生の演題は「現代の食事情、養生について」です。養生とは、生活に留意して健康の増進を図ることをいいます。吉久保先生は漢方薬にも造詣が深く、特に食生活についての指導を熱心に行われています。
現代人の食生活の特徴は、動物性脂肪やタンパク質、砂糖の摂取の増加です。特に砂糖に関しては、白糖を多く摂取するようになりました。白糖は高度に精製された純度の高い砂糖です。このような砂糖は、血糖値を急激に上昇させるだけでなく、その糖を代謝するのに必要なミネラルやビタミンを含んでいないため、体内で代謝されにくいです。また、清涼飲料水に含まれている「果糖ぶどう糖液」も同様です。

これらの糖は、糖尿病はもちろんのこと、肝障害、冷え性、脂質異常症、骨粗鬆症などの危険因子になると言われています。一方、黒糖は白糖に比べてミネラル分が多く、摂取しても代謝されやすいため体に優しい砂糖です。


ここで様々な種類の砂糖を紹介しましょう。

一番左に書かれている「ショ糖」が砂糖の甘味成分に当たるものです。次にある「転化糖」とは、ショ糖の分解(加水分解)によってできたブドウ糖と果糖のことで、「灰分」はいわゆるミネラル分です。
 黒糖を除けば、どの砂糖もショ糖分は95%を超えており、中でも、白ざら糖とグラニュー糖のショ糖分がほぼ100%に近いことが分かります。つまり、白ざら糖やグラニュー糖は「高純度」な砂糖です。逆に、上白糖や三温糖はショ糖分がやや低いことが分かります。


気をつけるべきは砂糖だけではありません。日本人にとって無くてはならない調味料が醤油と味噌です。これにも様々な種類があるのを御存知でしょうか。
まずはこちらの味噌、原材料に注目して下さい。

材料は、米と大豆と食塩です。このように記載されている味噌は、時間をかけて米と大豆を発酵させて作られた味噌です。
一方、こちらの味噌は、

大豆、米、食塩の他に、かつおエキス、かつおエキス粉末、こんぶエキス…さまざまな化学調味料が含まれています。これは発酵に時間をかけず、発酵により出てくるうまみを化学調味料によって補っています。そのため、短期間(2〜3日)で作ることができ、安価です。しかし、たくさんの添加物を含んでいます。


醤油にも2種類あります。
緑のラベルの醤油は、大豆と小麦と食塩のみで作られています。時間をかけて大豆を発酵させて作られた醤油です。

一方、青いラベルの醤油は、大豆、小麦、食塩以外に砂糖混合ぶどう糖液、アルコール、化学調味料が含まれています。こちらは短時間で作られた醤油で、安価ですが多くの添加物を含んでいます。
食品に関する話題は誰もが興味のある分野で患者様からも様々な事柄について質問されます。そのため、参加者からの質問も多く、非常に盛り上がりました。

話題が食品添加物でしたので、途中、小倉講師も交えて有意義な質疑応答になりました。

身近な調味料を良く観察するだけでもこれだけの違いがあります。できれば病気を未然に防ぎ、病院や薬のお世話にならない生活を送りたいものです。日々の食生活にアドバイスすることで、薬剤師とかかわった人達が健康で充実した日々を送っていただければ、これほどうれしいことはありませんね。

ただ今、回生薬局では薬草園を造園されています。農作業に勤しむ吉久保先生、様になっていますね。


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