第15回次世代の薬剤師を創る会(大阪) - 一般口頭発表 -

2015年6月7日(日)Medisere SCHOOL大阪校にて、薬剤師研修センター認定「次世代の薬剤師を創る会」(以下次世代)を開催いたしました。
メディセレ卒業生(メディセリアン)だけでなく、当会に現場の多くの先生方にも参加いただけるようになりました。

第15回次世代の薬剤師を創る会
一般口頭発表3例

  1. ADHDの病態と治療について
    藤本 倫正先生(マルゼン薬局株式会社)
  2. 財務からみるジェネリック医薬品の選定方法
    剱山 雅史先生(けんざん薬局 取締役 三重県薬剤師会医療安全委員)
  3. 考える技術 薬剤師のための臨床推論入門
    吉長 正紘先生(近畿大学医学部堺病院 薬剤部)

特別講演「心理教育講座ワーク」
児島 惠美子先生(医療心理学会協会 代表理事)


一般口頭発表、一人目はメディセレ卒業生(メディセリアン)の、藤本 倫正先生です。
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)の病態と治療」についてお話いただきました。
ADHDでは、家族や周りの人は薬を飲めば治ると考えている人が多いです。ご本人も同様に考えているため、薬はあくまで本人の私生活をサポートするツールであるということを説明することが大切です。
服薬指導では、「毎日服用してください」というワンパターンの服薬指導では対処できません。必ずしも毎日、薬を服用する必要はなく、仕事や学校などの行事に合わせて服用の仕方を変えているケースもありますので、ご本人や家族などからしっかりと情報を収集する力が薬剤師に求められます。


次に、剱山 雅史先生です。
「財務からみるジェネリック医薬品の選定方法」についてお話いただきました。


医薬品の収支の内訳は、納入価+薬価差益(薬品を患者さんへ交付して初めて発生する利益)で成り立ちます。しかし、納入価の約34%は法人税として課税されます。そのため、決算時点の在庫額(残存錠数)の約34%は法人税として徴収されるということです。
薬価が高ければ、薬価差益も大きくなるが、法人税も大きくなります。
在庫するすべての品目について動態を把握し続けることは困難であるが、薬剤師は、いち経営者の感覚を持ち、増税など社会事情の変化も予測することは大切ですし、また、薬局内では在庫リスクが少なくなるよう在庫は多く持ちすぎず、こまめに管理することが大切だということがしっかり理解できました。


最後に、吉長 正紘先生です。
「考える技術 -薬剤師のための臨床推論入門-」についてお話いただきました。
日本再興戦略平成25年6月閣議決定では、
「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等、セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する。」とあります。
この情報提供のために「考える技術を磨くこと」、「臨床推論」が必要です。


そのテクニックを少しご紹介します。問診のポイントにしてください。


1.OPQRST

Onset発症様式
Palliative/Provocative factor寛解/増悪因子
Quality/Quantity性質/程度
Radiation(Region) 範囲(部位)
Symptoms related随伴症状
Time course経過


どんな時に痛みが出ました? →発症様式(O)
痛みに波がありますか? →寛解・増悪(P)
どんな痛みですか? →性質(Q)
どの辺が痛いのですか? →部位(R)
他に症状は無いですか? →随伴症状(S)
痛み始めてどの位経ちますか? →経過(T)


2.SBAR
SBARは、アメリカ軍でのチームワークの研究から生まれた相手に分かりやすく伝えるコミュニケーション技術です。

Situation状況
Back ground背景
Assessment評価
Recommendation推奨


電話(薬剤師)
外来受診の○○さん、 ⇒背景(B)


3日前から、毎日、食後の心窩部痛を訴えています。⇒状況(S)
しくしくするような痛みで、
うんちが黒っぽくなっているようです。


胃潰瘍が考えられると思うのですが、⇒評価(A)


受診してもらいますか?⇒推奨(R)


これは緊急時から疑義照会まで幅広く利用できます。スマートなコミュニケーションをとることができるようにしましょう。
臨床推論を鍛えると、臨床能力が向上します。
出来る限り多くの疾患カードを持ち、疾患の特徴を比較できるようにするために色々な勉強をしっかりすることが大切だということです。


会場では「どんな本を読んで、先生は臨床推論を鍛えましたか?」という問いに、吉長先生は「シャーロックホームズ」と答えていました。シャーロックホームズは、架空の探偵ですが、作家のアーサー・コナン・ドイルは医師なのです。そのため、トリック、推理の着眼点が、医学的な観点で描かれていることで、臨床の場ととても直結する点が多いのです。

今からすぐに実践できる知識ばかりで大変勉強になりました。
演者、座長の先生方、有り難うございました。


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